立ち読みコーナー
目次
592ページ
登場人物紹介
デイビス・サリバン          FBI特別捜査官
ナタリー・ブラック          駐英大使
レーシー・シャーロック        FBI特別捜査官
ディロン・サビッチ          FBI特別捜査官
ペリー・ブラック           ナタリーの娘。〈ワシントン・ポスト〉紙のアメリカンフットボール担当記者
アーリス・アボット          国務長官。ナタリーの親友。
デイ・アボット            アーリスの息子。石炭業界のロビイスト
フーリー               ナタリーのボディーガード
コニー                ナタリーのボディーガード
ジョージ・マッカラム         第八代ロッケンビー子爵。ナタリーの婚約者。
ウィリアム・チャールズ・マッカラム  ジョージの息子。
ブレシッド・バックマン        『残響』(二〇一三年刊)に登場したカルト教団のキーパー。
オータム               ブレシッドの姪の超能力者。(『残響』に登場)
ニコラス・ドラモンド         元スコットランド・ヤード警部。
147ページ~
 アロンゾのデスクの脇を通りすぎざま、彼から声をかけられた。「やあ、ペリー、男子トイレの落書きを見とけよ。最初はウォルトとかが書いた冗談だと思ったけど、笑い話じゃすまない内容でさ。見といたほうがいい」
 男子トイレにわたしの落書き? ここ〈ポスト〉でそんなことが? たとえウォルトといえど、そこまで下劣なことをするだろうか。おまえのハーレーを盗んでメキシコまで逃げてやる、と脅されてはいるにしろ、ESPNで働くウォルトのことは、みんな知っている。この大きな部屋に現れればいやでも警報が鳴り響き、誰も彼もが消火器を持ちだすだろう。だから、ウォルトという線はありえない。アロンゾの顔には深刻な表情が浮かんでいたので、ペリーはその足で男子トイレに向かった。なかに、男性がひとりだけいた。犯罪記事を扱うポトウィンで、ありがたいことに、すでに用を足して、手を洗っていた。男性が手を洗っているのを見ると、ほっとする。ペリーは彼を無視して、小便器の列の上に赤いマジックペンで書かれた文字を見た。
 
つぎはおまえの番だ、ペリー。邪魔するな。