立ち読みコーナー
目次
448ページ
登場人物紹介
ソフィ・ダニエルズ     生物学者
ジョン・ライアン      特殊部隊〈ゴースト・オプス〉のメンバー
エル・コノリー       神経学者。ソフィの親友
ニック・ロス        特殊部隊〈ゴースト・オプス〉のメンバー
キャサリン・ヤング     神経科医。
マック・マッケンロー    〈ゴースト・オプス〉のメンバー。キャサリンの夫
チャールズ・リー      アーカ製薬CEO
クランシー・フリン     元アメリカ陸軍大将。セキュリティ会社経営者
133ページ~
 外から入ってくる恐ろしい音を消すことができれば、まるで……デートのようだ。それもロマンティックなデートだ。ソフィはカーテンを閉め、キャンドルをともした。感染者たちが明かりに群がる性質を持っているかどうかはわからないが、用心するに越したことはない。
 だが、かえって雰囲気がよくなった。
 世界の滅亡に直面さえしていなければ、素敵なシチュエーションだ。ジョン・ライアンは、ソフィの隣に座っている——テーブルを挟んで座るのを拒んだからだ。彼はソフィの隣に座りたいといった。デートの相手としては、ジョンは百点満点だ。信じられないほどハンサムで魅力的。キャンドルの明かりもジョンを引き立てた。彼の魅力は破壊兵器並みだ。キャンドルの輝きが力強くシャープな横顔をくっきりと照らし、長い金髪をきらめかせている。全盛期のブラッド・ピットもかなわない。
 そんなルックスなのに、俳優のような甘さはない。どこを見てもタフな男らしさにあふれている。ジムで作りあげたのではないと、ひと目でわかる筋肉。戦闘によって獲得したものだろう。俳優ほど優美ではない手は、たこや小さな傷跡があり、ごつごつとしている。酷使した手だ。
 有能な手だ。
 ジョンと愛を交わしたときに、彼がどんなふうに自分に触れたのか思い出し、ソフィの体は火照った。彼の手はごつごつしてざらついていたけれど、触れ方は優しくて熟練していた。彼の指先が濡れて敏感になった部分に円を描いたとき、たこができているのをはっきりと感じ……。