立ち読みコーナー
目次
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はじめに
プロローグ 〜あなたの夫の「未熟度」をチェック

1章 子どもより手がかかる! 「未熟な夫」たち
 甘やかされて育った未熟夫、七つのタイプ
 「感謝できない曖昧夫」にはもう期待しない A子さんの場合
 「成長しないふてくされた夫」を見限る日 B子さんの場合
 反省が苦手で変わりたくない夫と、成長せざるを得ない妻

2章 仕事能力と家庭能力、どちらが大事?
 男たちは、なぜすぐ仕事に逃げ込んでしまうのか
 変わりたくない、だからかかわりたくない
 「経済力を振りかざす身勝手夫」の不安と恐れ C子さんの場合
 「成熟夫」は、家庭人としての技術磨きをいとわない

3章 ここまでしないと、夫には伝わらない!
 「話を聞けない夫」は妻を尊重できない夫 D子さんの場合
 離婚シュミレーションは懐の三行半 E子さんの場合
 結婚後の「怠惰な夫」が心の成長を止める
 「見限り」への不安が夫婦関係を変える

4章 「未熟な夫」に振り回されない対処法
 夫と妻の成長レベルには、これだけの差がある
 こんなとき、妻は夫とは別の人生を考え始める
 夫に「実刑判決」を下す瞬間 F子さんの場合
 「別れるほどではないけれど…」と思うあなたへ
 まず、妻が幸せになると決意する G子さんの場合

5章 二人の関係を変えるコミュニケーション
 コミュニケーションの第一歩「名前で呼び合う」 H子さんの場合
 男がコミュニケーション不全に陥る理由
 いつまで、相手からのサービスを待ちますか?
 夫より先に「未熟」から立ち上がる

6章 夫に満たされなくても幸せになる方法
 「成熟・自立した人」とは「上手に甘え、上手に依存できる人」
 「甘え・依存の対象」は夫以外にたくさんつくる
 成熟へ向かう心は、この世のあらゆる事象に甘え依存する
 あなたの周りのたくさんの「愛」に出会う方法
 心の隙間を自分で満たせば、夫ストレスも楽になる

エピローグ 〜人はみな独り、だからこそ触れ合いたい
はじめに

新装再刊です。よろしく。

 本書の初版が『「未熟な夫」と、どうつきあうの?』と題されて書店にならんだのは、二〇〇四年五月でした。
 今にして思えば、あの当時の私は「夫婦たちの行く末」についていくらか楽観的でした。本書に紹介されているような「未熟な夫」は次第に少数派となり、さすがに絶滅危惧種とまではならないものの、もっと妻に折り合う夫が多数派となり、それにこたえてよりよい日々を重ねられる妻も増えるだろうと思っていたのです。
 他方では、どうしようもない「未熟な夫」を見限ってシングルマザーの道を選び、颯爽と我が世を培い、母としての成熟をも重ね続ける女性も増えるだろうと思っていたのです。

 ところが、あれから一〇年に近い歳月を経た今、私どものカウンセリングルームを訪れてくれる妻たちの話を聞いているかぎり、状況は少しも好転していません。
 日本経済がジワジワと厳しさを増し続けたことも影響しているのでしょう、妻たちの多くは、かつてよりも「耐えて忍ぶ」という選択を余儀なくされているようにみえてなりません。
 いささか悲しいことだと思っています。「耐えて忍ぶ」ということが当たり前の日常になってしまったとき、人の心は自尊心と誇りを失ってしまうからです。そうなってしまった心は、周囲のみんなを尊重する力もそぎ落としながら、何よりも痛ましいことに「我が子」を慈しむゆとりさえも見失いかねません。
 むろん夫との関係も停滞または悪化してしまい、夫たちは「未熟な心」を抱え込んだまま不平不満と不機嫌の歳月を過ごし続けることになってしまいます。
 どうせ生きてゆく日々なのに、もったいないことですね。

 私は思うようになりました。
 妻たちも夫たちも「生き方」の根本をちょっと見直してみればよいだけではないのか、と。
 決して満たされるはずのない「幸せを保証する豊かな消費生活」などという幻想を空しく追い続けることなどやめにしたほうがよい、と。
 収入を確保し続けるためにはどんな理不尽にも苦痛にも耐えるほかないというような「思い込み」を手放したほうがよい、と。
 綿々と織りなされてきた人間文化の流れのより深いところから汲み上げられる「実のある豊か」を求め始めるほうが得だ、と。
 そう思うようになりました。

 夫の未熟も、あるいは妻の未熟も、夫婦の離反も、または親子の葛藤も、つまりは「私の生き方」を問う入り口となる「課題」なのです。
 結婚を継続するなら「幸せ」を手にできるとは限りません。離婚するほうが「幸せ」に近づけるとも限りません。
 どちらの道を選ぶのだとしても、「私」が日々の中で選び続ける些細な事ごとが「幸せ」の質を決めていくのだと、私は思っています。