立ち読みコーナー
目次
320ページ
第1章 新人CA・美緒    7
第2章 盗撮の部屋    45
第3章 秘密組織    80
第4章 罪と罰    117
第5章 硬い凶器    171
第6章 処女の場所    224
第7章 機長と先輩と    255
第8章 特別フライト    283
「後方ですか? は、はい。すぐに見て参ります」
 キャビンを化粧室に向かって、歩いて行くうちに、ふと疑問が湧いてきた。
(前方担当の私が、なぜわざわざ後方に行かなくちゃならないのかしら?)
 腑に落ちないまま、ラバトリー前で、閉まっていた扉に耳を当て、ノックしながら中の様子を窺った。
「お客様、大丈夫ですか?」
 応答はないので、とりあえず中を確認しようと扉を右にスライドさせると、ドアは容易に開いた。
「お客様……?」
 そこにはスーツ姿の男性が苦しそうにズボンを穿いたまま腹部を押さえ、便座の蓋に座っていた。
「大丈夫ですか?」
 手を差し伸べたとたん、猛烈な力で引き寄せられ、あっという間に背後から羽交い締めにされてしまった。叫ぼうとしたが、グローブのように大きく毛むくじゃらの手で、鼻と口を塞がれていた。