立ち読みコーナー
目次
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 はじめに

第1章 親の役割は何?
 ハートフルコミュニケーションで目指すのは子どもの自立
 親の役割は子どもを思いのままに動かすこと?
 子育ての視線は子どもの今ではなく未来へ……他
第2章 子どもに教えたい三つの力
 ■愛すること
  愛だけが自己肯定感(自分が好きという感覚)を育てる
 「あなたのために」は子どもには愛とは伝わらない……他
第3章 子どもを幸せにするしつけ
 叱ることがしつけではない
 怒りの自動スイッチをリセットすることから始めよう……他
第4章 心を結ぶ聴き方・伝え方
 子どもの話を聞くことはサポートの基本
 人間はそもそも人の話なんて聴いていない……他
第5章 親の幸せは自分でつくる
 ■子どもからの自立
  あなたは自分が好きですか?
  子どもを自己実現の道具にしないで
  子どもは完璧な親を求めてはいない……他

おわりに――「ひび割れ壷」の物語
子育ての視線は子どもの今ではなく未来へ
 子どもが安全でいるか心配だ、いい子にしているか気にかかる、しつけをきちんとしなければとあせる――そんな気持ちは親であれば誰でも感じることでしょう。
 特にしつけについては、親は、何かあるたびに「最近の子はしつけができていない」と攻撃の的にされます。そこで親たちは、自分の子どもはしつけの行き届いたいい子に育てたい、あるいは親として自分が攻撃を受けなくてもいいような子に育てたいと努力します。でも、そのやり方が、時には子どもの生活から喜びを奪っていることに気づいていません。
 私たち親は、とかく「今」に焦点をあてがちです。今、子どもは安全か。今、子どもは親の思うとおりにふるまっているか。今、子どものまわりで親の望むとおりのことが起きているか。今、親の望む子でいるか――。
「今」に焦点をあて、その通りになっていないと口を出し、手を出します。そうすることで親は、今の安心と秩序を手に入れるのです。
 しかし、その一時の安心と秩序に焦点をあてすぎると、子どもの一生から、自主性とそこから生まれる喜びの芽を摘みとってしまうことになります。
 子育てをするとき、私たち親が目指すべきは子どもの未来です。今の子どもがどうであるか以上に、子どもが成長した姿を目指して子育てしなければなりません。今、親がやっていることの延長線上に、本当の子どもの幸せがあるかどうかを、一度立ち止まって考える必要があります。
 たとえば、四〜五歳というと、母親の膝から自立して社会へと足を踏みだし始める時期です。自分の身を守ることや人を傷つけないことをはじめとして、人とうまく遊ぶにはどうしたらいいか、人とうまく遊ぶために自分の感情と行動をコントロールする、などの社会的スキルを身につけ始める時期です。
 このスキルこそが「生きる力」と言えるのです。

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