何か、とても苦しい夢を見ていた
記憶をなくし、霊と対話できる叶井晴翔は、
怪談実話作家の宵坂白にふりまわされるように
さまざまな怪異と対峙していく――
怪談実話作家の宵坂白(よいさかつくも)が八王子の山中で拾った叶井晴翔。記憶を失った彼は幽霊たちの姿が見え、声が聞こえるようになった。恐怖に慄く叶井だが、白にはネタ集めに有用な存在だった。やがて宵坂家に住むことになった叶井だが、宵坂家は家神のイナリ、幽霊の留吉、白の叔母・紫乃とにぎやかな中で、次第に落ち着きを取り戻し、失った記憶を調べはじめるが――
【著者紹介】
川奈 まり子
作家。『八王子怪談』『一〇八怪談 鬼姫』『実話奇譚 蠱惑』(竹書房怪談文庫)、『迷家奇譚』『少年奇譚』『少女奇譚』(晶文社)、『実話怪談 でる場所』(河出文庫)など取材に基づく怪談実話の著書多数。小説に『東京をんな語り』(角川ホラー文庫)など。日本推理作家協会会員。
『二見書房の怖い本』特設サイト掲載作品