しっとりとした筆致で、江戸に生きる人の綾を時代推理の俊英が描く
訳あって武家の娘・綾は、江戸一番の花街の入り口に建つ船宿の住み込み女中に。
そこで遭遇した思いがけぬ六つの謎と事件の行方……。
6つの謎と事件の行方新シリーズ第1弾!
船宿『篠屋』の勝手口から端正な侍が飛び込んで来て、追われていると言う。予約客の寺侍・梶原だ。女将のお廉は梶原を二階に急がせ、まだ目見え(試用)の女中・綾に、あんたも急いで二階に上がり、湯文字ひとつで梶原様の床に入るんだ、と叫ぶ。追手の足音も迫る。同衾を装うための芝居をしろというのだ。綾は床で丸くなって考えていた。この船宿は断ろうと。だが……。
【著者紹介】
森 真沙子 もり・まさこ
奈良女子大学文学部卒業後、雑誌、週刊誌の記者を経て1979年『バラード・イン・ブルー』で第33回小説現代新人賞を受賞し、文壇デビュー。以後、近代史や現代史に材を採ったミステリー作品で活躍し、近年では中世、古代史にも範囲を広げ、歴史推理や歴史伝奇作品を精力的に発表している。
柳橋ものがたり
◆ 船宿『篠屋』の綾
◆ ちぎれ雲
◆ 渡りきれぬ橋
◆ 送り舟
◆ 影燈籠
時雨橋あじさい亭 シリーズ
◆ 千葉道場の鬼鉄
◆ 花と乱
◆ 朝敵まかり通る
箱館奉行所始末 シリーズ
◆ 箱館奉行所始末 異人館の犯罪
◆ 小出大和守の秘命
◆ 密命狩り
◆ 幕命奉らず
◆ 海峡炎ゆ
日本橋物語 シリーズ
◆ 日本橋物語 蜻蛉屋お瑛
◆ 迷い蛍
◆ まどい花
◆ 秘め事
◆ 旅立ちの鐘
◆ 子別れ
◆ やらずの雨
◆ お日柄もよく
◆ 桜追い人
◆ 冬螢