「ひとくちで言へば、新かなは不便である、といふことです。使い勝手がよくない、といふ一点に帰します。
言ひ換へれば、旧かな、歴史的かなづかひを使ふのは「得」である。とにかく得をしよう。この話に乗らないか、といふのが私の言ひたいところです。」(本文より)
美しくて楽しくて便利な旧かなの魅力が満載。谷崎潤一郎『盲目物語』ほかの練習問題や、「かなづかひ対照表」などの附録も充実。
読む方にはなんの問題もないのですから、せつかくなら書き方もおぼえてみようか、といふのがこの本です。俳句なり短歌なりを作る場合はもちろんですが、ちよつと日記や手紙、メールなどでも旧かなですらりと書けてみると、なかなか気持がいいものですよ。
【著者紹介】
萩野貞樹(はぎの さだき)
1939年-2008年。一橋大学法学部卒、元産業能率大学教授。
1970年、「辻村敏樹氏の敬語説への疑問」で「月刊文法賞」を受賞。1971年、「「人間教育」論をめぐって」で「自由新人賞」を受賞。雑誌『自由』『日本及日本人』などを中心に、国語学、日本語系統論、神話論などに関する論考を多数発表した。
著書に『敬語の基本語存じですか』(二見レインボー文庫)『みなさんこれが美しい日本語ですよ』(リヨン社)『ほんとうの敬語』(PHP新書)『旧仮名づかひで書く日本語』(幻冬舎新書)『舊漢字』(文春新書)など多数。