栄次郎が魅せられた剣の奥義とは?
春の大川端で、釣り糸を垂れる老人を一瞥した時から事件は始まった。
厳しい修行の果てに到達した剣技とは――?
神田明神の水茶屋「鈴の家」のおのぶが両国橋に斬死体となって浮き、浅草雷門前の料理屋「奈良屋」のお咲が、行方不明となった。一体、誰が?なぜ?真相を探索する矢内栄次郎は、一人の老剣客を知った。なんの気も発せず、自然と一体化する剣の奥義に達した者のみが許される世界にいる老人の剣に、栄次郎は魅せられる。剣技の究極を描く力作!
【著者紹介】
小杉健治 こすぎ・けんじ
「時代小説が書きたくて小説家を志した」と言う氏の面目を十二分に発揮した<栄次郎江戸暦>シリーズは、確実に大人の読者を魅了し、人気を不動のものにしている。
1983年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。87年『絆』で推理作家協会賞、89年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。1947年、東京に生まれる。
栄次郎江戸暦 シリーズ
◆ 栄次郎江戸暦 浮世唄三味線侍
◆ 間合い
◆ 見切り
◆ 残心
◆ なみだ旅
◆ 春情の剣
◆ 神田川斬殺始末
◆ 明烏の女
◆ 火盗改めの辻
◆ 大川端密会宿
◆ 秘剣 音無し
◆ 永代橋哀歌
◆ 老剣客
◆ 空蝉の刻
◆ 涙雨の刻
◆ 闇仕合(上)(下)
◆ 微笑み返し
◆ 影なき刺客
◆ 辻斬りの始末
◆ 赤い布の盗賊
◆ 見えない敵