ここから私たちは何を学ぶのか。
史上最悪の原発事故から25年目の春。
2009年、人の姿のない街では、春の陽射しのもと、
草木は伸び、花が咲いていた。
現地に入ったカメラによる待望の写真!
森の中にはいまだに放射線警告標識の黄色い看板が野に咲く毒花のように睨みを効かせ、発電所4号炉の石棺付近ではいまだにガイガーカウンターが無機質な電子音を響かせる。放射能が姿を変え移り変わることもなくこの地に存在しているのはどうやら紛れもない事実のようだ。
1986年の事故から今年で25年が経つというのにだ。
(「まえがき」より)
反響をよんだ『廃墟チェルノブイリ』の後再び当地に入った著者が写す「廃墟のその後」。
書 評
2011.6.26 東京新聞
【著者紹介】
中筋 純(なかすじ・じゅん)
1966年、和歌山県生まれ。東京外国語大学中国語学科在学中にアジア、中米を放浪。卒業後出版社に勤務しつつ独学で写真技術を習得する。1996年に独立し中筋写真事務所設立。数々の雑誌をメインにアパレル広告、舞台広告、CDジャケット撮影など多岐にわたって活躍中。著書に『廃墟チェルノブイリ』(二見書房)、共著に『廃墟本』シリーズ(ミリオン出版)、『廃墟、その光と陰』(東邦出版)などがある。